- 動悸が止まらない・心臓がバクバク
する方へ - 「動悸がする」とはどんな感じ?
症状チェック - 脈拍から分かる動悸の3つの種類
- 動悸がする原因と考えられる病気
- 動悸がする時の検査方法
- 動悸がする時の治療方法
動悸が止まらない・
心臓がバクバクする方へ
心臓の拍動がドキドキと強く感じられる状態を動悸と呼びます。
動悸には、脈が飛ぶ、乱れる、心拍が遅くなる(徐脈)、早くなる(頻脈)、心拍が大きく強くなるといった症状が現れます。
健康な方でも起こりうる症状ですが、脈が飛んだり乱れたりする場合は不整脈の可能性があります。
徐脈や頻脈の場合も同様です。不整脈は、重大な疾患が原因で起こることもあるため、注意が必要です。少しでも症状がある場合は、お早めに当院までご相談ください。
「動悸がする」とは
どんな感じ?症状チェック
動悸の主な症状
- 脈が不規則になる
- ドキンという鼓動がする
- 脈が抜ける
- 鼓動が急に、もしくはゆっくりと速くなる
動悸に伴う他の症状にも注意
- 胸が痛い
- 胸が締め付けられる
- めまいがする
- ふらつくことがある
- 冷や汗
- 吐き気や嘔吐
- 息切れがする、息が苦しい
危険な動悸の症状
- 頻脈
- 息切れ
- 頻脈と徐脈を繰り返す
- 安静時でも脈拍が120回以上で10分以上持続する
脈拍から分かる動悸の
3つの種類
徐脈(脈拍が遅い)
徐脈は、脈拍が遅い状態です。
房室ブロックや洞不全症候群が原因で徐脈が起こる場合、治療としてペースメーカーの装着が必要になることもありますが、経過観察で済む場合もあり、個人差があります。
頻脈(脈拍が速い)
頻脈は、脈拍が速い状態です。
頻脈は、重大な疾患が隠されている可能性もあるため、なるべく早く医師に相談することをおすすめします。
特に、胸痛を伴う場合は、命に関わる狭心症や心筋梗塞の疑いがあります。
糖尿病を併発している方は、痛覚が鈍くなり、胸痛に気づかない場合もあるため注意が必要です。
心筋梗塞は、胸痛だけでなく、吐き気、嘔吐、呼吸困難、意識喪失などを伴うこともあります。
また、貧血、甲状腺疾患、更年期障害なども頻脈の原因となる場合があり、正確な診断には検査が必要です。
脈が飛ぶ・乱れる
心臓は、規則正しい電気信号によって拍動しています。
しかし、何らかの原因で、通常よりも早いリズムで電気信号が心臓に送られると、脈が飛ぶように感じることがあります。
これは、期外収縮と呼ばれる不整脈の症状の一つですが、健康な方にも起こりうることです。
多くの場合、深刻な問題にはなりませんが、心臓に負担がかかり、治療が必要になることもあります。
脈拍の乱れを感じたら、一度当院にご相談ください。
動悸がする原因と
考えられる病気
動悸がする場合には以下の病気の可能性があります。
気になる症状があれば、お気軽に当院にご相談ください。
循環器の病気
動悸を感じた場合、不整脈や心不全の可能性も考えられます。
心不全
心不全とは、心臓の機能が低下し、全身に酸素を十分に送れなくなる状態です。
心臓は、機能低下を補うために心拍数を上げます。
そのため、動悸が起こります。
主な症状として、食欲不振、倦怠感、足のむくみなどがあり、病気が進行すると息苦しさを感じるようになります。
心不全を引き起こす疾患は、重篤なものが多いため、気になる動悸がある場合は受診をしましょう。
不整脈
脈が速くなる不整脈には、発作性心房細動や発作性上室性頻拍などが挙げられます。
発作性心房細動は、放置すると心不全や脳梗塞を引き起こす可能性があり、早期の治療が必要です。
主な原因には、高血圧、糖尿病、加齢、飲酒、睡眠不足、運動不足などがあります。
発作性上室性頻拍は、急激な心拍数増加により低血圧を引き起こし、ふらつきを感じることがあります。
通常の脈拍は1分間に60~90回ですが、発作時にはこれが150~200回程度まで急増します。
循環器以外の病気
動悸を引き起こす原因には、循環器疾患以外にも、甲状腺機能亢進症、貧血、糖尿病(低血糖)、呼吸器疾患、脱水症状、内服薬の副作用などがあります。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こります。
心臓に大きな負担がかかり、動悸や不整脈などの症状が現れることがあります。
女性に多くみられる疾患で、動悸の他に、手の震え、多汗、疲労感、体重減少などの症状が現れます。
首の腫れに気づくこともあります。
低血糖
低血糖になると、動悸に加え、冷や汗やふらつきなどの症状が現れ、大変危険な状態となることがあります。
特に、糖尿病の治療薬服用やインスリン注射などにより、血糖値が下がりすぎることで起こります。
低血糖になりそうな場合は、ブドウ糖を摂取することで、低血糖発作を予防できます。
糖尿病治療を行っている場合は、処方薬の服用タイミングや食事について、医師の指示に従ってください。
貧血
貧血になると、酸素を運ぶ量が減るため、体は酸素不足を補おうと心拍数を増やします。
これが動悸として現れるのです。
特に、運動時などには、動悸が強く感じられることがあります。
動悸がする時の検査方法
動悸の診断には、様々な検査が行われることがあります。
一般的な初期検査として以下のようなものがあります。
問診
動悸を感じた場合は、まず問診を行います。
問診では、どのような時にどのような動悸を感じたかを伺います。
診断の際に役立つ情報となりますので、動悸を感じた際は、どのような症状だったか、できる限り記録して受診時にお持ちください。
特に、以下の情報は参考になります。
動悸の状況・症状をチェック
- 何をしている時でしたか? 例:家事中、運動中、安静時など
- どのような動悸でしたか? どれくらい続きましたか?
- どのように始まって、どのように終わりましたか? 例:突然/徐々に
- 脈拍数はどれくらいでしたか?
- 脈は規則正しかったですか? 例:規則正しい、脈が飛ぶ、不規則 など
血液検査
血液検査では、各種数値や生化学的な指標を調べることで、貧血、甲状腺機能の異常、心筋障害など、様々な情報を得ることができます。
心電図
心電図検査では、心臓の電気的な活動を記録することで、不整脈や心筋障害などがないか調べます。
24時間ホルター心電図
血液検査では、各種数値や生化学的な指標を調べることで、貧血、甲状腺機能の異常、心筋障害など、様々な情報を得ることができます。
心エコー検査
超音波検査では、心臓の構造や機能を超音波で評価します。
心筋障害や弁膜症などがないか確認することができます。
胸部レントゲン
心臓や肺に異常がないか評価するために、胸部レントゲン撮影が行われます。
上記の検査で異常が見つからない場合でも、心因性の動悸や不整脈が疑われる場合は、必要に応じて追加の検査が行われることがあります。
動悸がする時の治療方法
動悸を感じたら、まずは楽な姿勢で安静にし、深呼吸をして落ち着きましょう。
そして、医療機関を受診してください。
なお、動悸が30分以上続く場合は、ためらわず救急車を呼んでください。
動悸だからといって、必ずしも治療が必要となるわけではありません。
症状が軽く、心電図検査などで異常が認められない場合は、経過観察となることもあります。
不整脈が原因の動悸には、以下のような治療が行われます。
薬物療法
抗不整脈薬を用いることで、心臓から発生する異常な電気信号を抑制し、心拍数の増加や血管の収縮を抑えます。
手術
ペースメーカーやICD(植え込み型除細動器)の埋め込み、心房の壁を切除して痙攣を抑制するメイズ手術などが行われます。
カテーテルアブレーション
カテーテルアブレーションとは、足の付け根からカテーテルを入れ、心筋の一部を焼き切る治療法です。